「ミャンマー政変ークーデターの深層を探る」

 

一昨年、初めてミャンマーを訪問したこともあって、ミャンマーにはその後も興味関心を持ち、今年に入ってのクーデターには驚くとともにそれについても関心を持っていたのですが、現状を把握する上で役立ちそうだと思い、本書を読んでみました。著者は新聞社のバンコク特派員を務めたこともあり、その当時やその後の取材に基づき本書を執筆しています。

長年、軍政下にあって停滞していたミャンマーが、民政移管後、停滞から脱しつつも、アウンサン・スーチー国家顧問の下にあってもロヒンギャ問題や民族紛争を抱え、軍の強い影響力を排除もできず、結局はクーデターで元の木阿弥になってしまった、その迷走ぶりや紆余曲折が、本書を読むことで改めて理解できました。

率直に感じたのは、国の発展や国民の生活向上を図るためには、この国はクーデターで国際的に孤立し停滞している場合ではない、ということでした。そのために日本が果たすべき役割にも大きなものがあると言うべきでしょう。