昨年出たものを読めていなかったので、最近になって一気に読みました。意欲を持って職務に精励していた若い記者が、このような形で失われることになり、読み終わって残念さや割り切れなさが残りました。
若くて元気であっても、過労状態が続くと心身が蝕まれます。一時的に忙しいことがあっても、限度を超えたものにならないように、労務管理者は人の配置を考える必要がありますし、忙しい状態が一段落したら一定期間休暇を取らせるとか、メリハリがついた労務管理を進めていく必要もあるでしょう。
マスコミに限らず、今なお、過度なハードワークが押し付けられている職場は少なくないと思います。本書は、その意味で警世の書であり、今後の教訓として読み継がれられなければならないと感じました。
丹念に取材されていることがよくわかり、無念の中で早世した記者の生きた証となっていることも高く評価できる一冊であると感じました。ただ、このような本が出ずに済むべきであったという思いを拭うことはできません。
