ゴーン被告側の準抗告棄却 東京地裁、勾留長期化へ

ゴーン被告側の準抗告棄却 東京地裁、勾留長期化へ(共同通信) - Yahoo!ニュース

東京地裁は17日、会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)の保釈を認めない決定に対する弁護人の準抗告を棄却した。弁護人が同日、準抗告していた。ゴーン被告は最初の逮捕から約2カ月にわたって東京拘置所に勾留されており、さらに長期化することになった。

起訴されると、勾留中の被告人は保釈請求できる状態になりますが、その際に、保釈を阻む理由になりやすいのが「罪証隠滅の恐れ」です。

被告人が否認している場合は、罪証隠滅の蓋然性が高いと判断されやすくなり、また、ゴーン氏の事件に即して言えば、元日産の会長、現在もルノーの会長という立場に基づく影響力(フランス大使がわざわざ東京拘置所まで面会に来るだけの人物ですから、その影響力には多大なものがあるでしょう)、公判で供述する可能性がある関係者が相当数にのぼり、そういった人々との通謀、働きかけの蓋然性が高いと見られやすいといったことから、起訴直後である現在における保釈は、なかなか認められにくいケースと言えると思います。

今後、公判前整理手続が採用される可能性が高いと予想されますが、その手続が進み、争点や証拠の整理がついてくる中で、罪証隠滅の恐れの程度が低減してきて、第1回公判前であっても保釈が認められるケースは結構あります。今後は、そのような手続の流れの中で、どのタイミングで保釈許可となるかが焦点になりそうです。

ただ、検察庁が弁護人に開示する証拠は相当数にのぼると推測されますし、争点や証拠の整理がついてくるまでには、それなりの時間がかかるでしょう。

保釈時期の予測はなかなか難しいものがありますが、早くて3月から4月、可能性が高いのは夏前あたりという感じでしょうか。今後の動向を注視する必要があると思います。