佐世保・医療少年院送致:更生図る少年法の趣旨を重視

http://mainichi.jp/select/news/20150714k0000m040045000c.html

今回のケースは、家裁は2月の第1回審判後から約4カ月間、少女の精神鑑定を実施した。審判前の検察側の鑑定期間と合わせると計約9カ月に及ぶ。鑑定結果を踏まえ、家裁は少女の殺人欲求に大きく影響している特性として「他者との共感性の欠如」に着目。改善には、刑務所での職業教育や労役ではなく、精神科医師などによる特別なプログラムが不可欠と結論づけた。

応報、社会防衛という観点からは、できるだけ長期間の服役が望ましいということになりそうですが、刑務所という場は、改善・更生を目指す場ではあっても、この少年のように特殊な問題を抱えている受刑者を徹底的にケアするといった機能は持ち合わせていませんから、刑罰を選択すれば問題を抱えたまま、あるいはさらに問題が悪化した状態で服役を終え社会に出てくることになる可能性が高いでしょう。そうなれば新たな犯罪、犠牲者を生むことにもなりかねません。
正に、刑罰か保護処分かという究極の選択に迫られたということになると思いますが、慎重に検討した上で保護処分を選択した家裁の判断には、遺族の願いには反するものであるという意味でも、重いものがあります。この判断が、少年の真の更生、再犯防止へとつながることを切に願わずにはいられません。