元東京地検検事「スルガ銀が責任追及に踏み出すべき」

https://www.asahi.com/articles/ASL9B41QJL9BUUPI002.html

東京地検検事の落合洋司
今回の不正は、デタラメぶりがすごすぎて、コンプライアンス(法令や社会規範の順守)を論じる以前のレベルだ。もはや銀行の体さえなしていないのではないか。
三者委が認定した不正行為だけでも、多くの行員が私文書偽造や詐欺、背任などの罪で刑事責任を問われる可能性がある。これから信用を回復していくには、まずは銀行が率先して責任追及する姿勢を示し、刑事告訴や告発にも踏みだすべきだ。スルガ銀が捜査に非協力的なようだと、構図が複雑なだけに事件化が難しくなるおそれがある。
貸し倒れのリスクで銀行業績は大幅に悪化し、株価の暴落で株主にも大きな損失を与えた。不正を許した経営陣も含め、民事上の責任を明確にすることも避けて通れない。これだけ悪質で組織的な不正をうやむやにしようとすれば、銀行として再建することもままならなくなるだろう。

ちょっと古い話になりますが、私は、平成8年に、東京地検公安部所属のまま、特捜部へ応援で出されて、住専住宅金融専門会社)関係の不正事案の内偵をやっていたことがあります。ダンボールで山積みになっている資料を、ダンボールごと部屋へ持ってきては、融資関係の資料を朝から深夜まで検討することを、2、3ヶ月くらいだったか、やっていました。そういう経験やその後の検事、弁護士としての経験もあって、銀行というものが融資をする際の流れ、考え方はそれなりに理解しているつもりです。
当時と、上記のスルガ銀行の状況は、時代も環境も異なりますが、銀行、それもそれなりの規模の地銀である以上、守るべきルールとか踏み出してはいけない大枠のようなものがあるはずなのに、明るみになっているところでは、ルールは無視、踏み出してはいけない大枠からも大きく踏み出してしまっていて、もはや、あるべき銀行の体をなしていないという印象を、第三者委員会の報告書から強烈に受けました。野盗やならず者が銀行員の皮をかぶって銀行をやっていたと言っても過言ではないでしょう。
こういう銀行は、この世の中から完全に消えてなくなるべきだと思いますが、存続したいのであれば、徹底的に、責任追及も厳しく行なった上で膿をすべて出しきる必要があると思い、そういう思いで上記のようにコメントした次第です。