ミッドウェー海戦(1) 解読された暗号、軍部の奢りで情報がアメリカに筒抜け

http://www.sankei.com/west/news/150703/wst1507030005-n1.html

太平洋艦隊司令長官のチェスター・ニミッツ大将は「日本軍の目標はミッドウェー」という確信に近い思いから、このとき日本側の航空機数が320機だったのに対し、アメリカもそれに対抗できる戦力までに増強していた。

ミッドウェー海戦ほど数多くの教訓が導きだせる戦いはない、と私は思っていますが、日本海軍、米海軍のどちらにも勝機はあった中で、米海軍を大勝利に導いたものは、

・直前の珊瑚海海戦で損傷した空母ヨークタウンをごく短時間でなんとか作戦参加可能な状態に復帰させた、優れたダメージコントロール能力
・情報を重視し先手を打つという発想が徹底していたこと
・発見した日本海軍機動部隊に対して次々と果敢に攻撃を仕掛けて勝機をつかんだこと

にあったのではないかと思います。特に、日本海軍空母群に対する米海軍機の攻撃が繰り返され、次々と撃墜される中、日本海軍機が低空に集中してしまい上空の防御がおろそかになった、そこに、米海軍の急降下爆撃隊が殺到して爆撃に成功し、日本海軍空母が次々と炎上という事態になったわけですが、それを成し得たのは米海軍機による、犠牲を顧みない果敢な波状攻撃にあったということは見逃せないと思います。
映画「ミッドウェー」で、海戦後にニミッツ提督が、ヤマモトはすべてを持っていた、我々はなぜ勝てたのだろうかとしみじみと述懐するシーンが出てきますが、勝つべくして勝つ、負けるべくして負けるという戦いはごくわずかであり、様々な要因が複雑に絡み合いつつ勝敗は決まるものである、ただ、勝利の女神は勝つための要因を多く持つほうに微笑みやすいものである、ということを感じます。