- 作者: 堀江貴文
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/01/14
- メディア: 単行本
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電子版でダウンロードして、通しで読んでいなかったので、一気に読んで読了しました。題名が、やや引いてしまう感じのものでしたが、内容は至って堅実、率直なもので、堀江氏の前半生(服役まで)がよくわかるものになっていると思います。
昭和の終わりから平成の初め頃までの日本(バブル崩壊の頃まで、と言ってよいかもしれません)での成功モデルは、高い学歴を得て大企業に入ったり官僚になったりして、日本の支配層(伝統的かつ固定的な)に入ることで、いわゆる「勝ち組」になるというものであったと思います。それが、バブル崩壊後の混乱や既成秩序の崩壊、変化の中で、従来の枠組みから外れた、新たな成功者が出てきた面があり(それは特にITの世界で顕著でした)、その典型例が堀江氏やそれに連なる人々であったように思います。ただ、「既成秩序対新たな成功者」という図式で言えば、前者が後者を異端視し排除しようとするということにもなった面があり、ライブドア事件の頃の日本は、既成秩序に慣れ親しんできた人々と新たな成功者を待望、歓迎する人々が日本の社会の中で相互に不信感を持ちつつ存在していた、ちょうど端境期であったような気がします。そのような時代背景も念頭に置きつつ本書を読んでみると、さらに深みが出てくるような印象を受けました。
起業(特にIT関係で)を考えている人にとって、堀江氏の歩みには参考になる点も多いと思われ、そういう意味でも参考になる一冊だと思いました。