「バブルの王様」

 

バブル期に活躍(暗躍?)したアイチの森下安道氏に関するノンフィクションで、12月4 日から読み始め、おもしろいのでどんどん読んで、今朝、読み終えました。

バブル期を取り上げた本を読むと、アイチや森下氏はよく出てきますが、突っ込んで書かれてはいなくて、私自身、貸金業者、金主ということ以上にはよく知りませんでした。本書では、森下氏の生い立ちやバブル期までの活動、バブル期に果たした役割、その豪奢な生活ぶり、バブル崩壊後に一旦は沈みまた復活していった様子が紹介されていて、他で森下氏を具体的に紹介した本が見当たらない中、貴重なものと言えるように思いました。

バブルというものは、人間の歴史の中で浮かんでは消えまた浮かびということを繰り返しています。現在の不動産バブルも、平成バブルに比べればごく小さなものでしかありませんが、一種のバブルでしょう。バブルはいずれ弾けますが、その過程において、森下氏のような人物が必ず出現してきます。賢者は歴史に学ぶと言いますが、そういった意味で、森下氏のような人物の生涯を知っておく意味や価値はあるでしょう。