ジェノサイド-ナチスの虐殺-ホロコーストの真実

ジェノサイド-ナチスの虐殺-ホロコーストの真実 [DVD]

ジェノサイド-ナチスの虐殺-ホロコーストの真実 [DVD]

1981年のアカデミー賞・長編ドキュメンタリー映画賞受賞、というのは、アマゾンで見つけるまで知らなかったのですが、観てみると、確かに、それに値すると感じさせる重厚な内容でした。ナチス犯罪追及で著名なサイモン・ウィーゼンタール・センターが製作に関与し、サイモン・ウィーゼンタール氏も作品中に登場して説明していて、私は、同氏をまじまじと見るのはおそらく初めてで、こういう人だったんだなと、その点でも感慨深いものがありました。
作品の手法は、時代の影響を受けてか、ドキュメンタリーではあるものの、画面が次々と切り替わる、やや前衛的な手法が採られていますが、ユダヤ人迫害からホロコーストへと進行する歴史はしっかりと押さえられていて、背景事情についてよく知らない人にも理解しやすい内容になっています。ただ、ストーリーの展開が早く、掘り下げて深く、という感じにはなっていなくて、やや消化不良的な印象が生じることは否めませんでした。そこは別の形でよろしく、ということなのでしょう。
長編、といっても、1時間半弱で観るのに骨が折れるほどではなく、この分野に興味ある人にとっては、一度、観ておくべき歴史的作品という位置付けになりそうです。