豪ラジオ司会者2人に非難殺到、キャサリン妃入院先の看護師死亡で

http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2915610/9963295

サルダナさんは、豪シドニー(Sydney)のラジオ局「2Day FM」のパーソナリティー2人がエリザベス女王Queen Elizabeth II)とチャールズ皇太子(Prince Charles)になりすまして病院にかけた偽電話を最初に受けた人物だった。

サルダナさんの死が伝えられると、フェイスブックのラジオ局ページはすぐに膨大な数の書き込みであふれた。多くはパーソナリティー2人に対する批判で、ラジオ局に2人を解雇するよう求めるものもあった。

ラジオ局側は当初、この偽電話を「英王室に仕掛けられた史上最大のいたずら」と誇っていた。

日本でも、かつて「どっきりカメラ」といった番組があって、サプライズないたずらをしかけて撮影しそれを笑いとして放映する、というものでしたが、時には相手を激怒させたり苦情へと発展したこともあった、という話は聞いたことがあります。欧米では、時々、有名人を装い別の有名人にいたずら電話して、その反応を録音し番組で流す、ということが行われていて、相手が有名人(政治家など)で内容が他愛のないものであれば笑って済まされるにしても、今回は、相手が病院で出てきたのも看護師という一般人であった上、聞き出された内容も、妊娠したキャサリン妃の容態という、公人とはいえプライベートな、センシィティブな情報でもあったため、単なる笑って見過ごされるようないたずらでは済まない、度を過ぎた、業務妨害とも言える迷惑行為にまで発展してしまった、ということでしょう。死者まで出ては、取り返しもつきません。
刑事上の犯罪行為にまでなるかどうか、損害賠償の対象になるような行為か、といった、法的責任も論じられる可能性はありますが、それ以前に、こうした行為に及ばない報道倫理、といったことが確立されなければならないと思いますし、暴走しようとしている場合は、報道側の内部で、それを止める機能もなければならないでしょう。その意味では、先日の、週刊朝日による橋下市長を取り扱った記事掲載問題と相通じるものもありそうです。
日本とは関係ない、遠いイギリスやオーストラリアでの話、で済ませるのではなく、日本でも十分起き得る問題、起きないために何をすべきか考えなければならない問題、という捉え方が必要でしょう。