オリンパス取締役会形骸化 第三者委「縦割り意識極端」

http://www.asahi.com/national/update/1207/TKY201112070263.html

最後は、議長の菊川剛・前社長から「いいですか」と発言があり、特に反対もなく承認されたという。
英医療機器会社を買収した際の助言会社への法外な報酬については、取締役会で特段の議論があった形跡もない。
取締役会の形骸化の要因として、第三者委は「極端な縦割り意識」を指摘し、「他人の担当には無関心だった」と分析。取締役の人事や報酬の決定権が社長専属だったため、「イエスマン」の取締役が多く、取締役会の議論や意思決定が妨げられた可能性にも言及した。

長いものには巻かれろ、ということわざがありますが、日本の場合、「巻かれる」タイプが、好人物である、協調性があるといった評価を受け、逆に、「巻かれない」タイプ(日本人ではなく外人であったのが残念ですがウッドフォード前社長のような人)は、扱いにくい、協調性がないなどと酷く評価され、出世できずいつの間にか消えて行く、検察庁を辞めて世間の片隅で細々としがない弁護士をやっている、といったことになりやすいですね。
少し前に、NHKスペシャルで、太平洋戦争開戦前の日本政府内での意思決定を紹介していましたが、開戦後の勝利への見通しがまったく立たないにもかかわらず、関係者が「巻かれて」しまい、開戦へと進んでしまっていて、日本的な意思決定の在り方は今も昔も変わっていないということを強く感じました。
そういった国民性は、すぐには変わらず変われない以上、企業統治を徹底するため、窮屈ではあっても、社外取締役を必ずおくなど、法制度面で厳しい縛りをかけて行くことを、避けては通れないでしょう。