刑事が捜査をストライキ 韓国で検察指揮強化に反発

http://sankei.jp.msn.com/world/news/111127/kor11112715180000-n1.htm

警察はこれまで、逮捕など強制捜査以前の内偵だけは慣行として検察との連絡なしに行ってきた。だが23日、政府が人権保護と捜査の効率化を目的に内偵内容の検察への報告義務を骨子とした制度改正を提示した。
警察側は既得権を奪われると反発。警察庁幹部は「絶対受け入れられない」と公言し、現場の刑事の間で短文投稿サイト「ツイッター」などを通じた「手錠返上運動」が急速に拡大、刑事百数十人が抗議集会で気勢を上げた。

韓国の刑事訴訟法では、戦前の日本のように、検察官が捜査を主宰し、警察がその指揮下で捜査に従事する、という仕組みになっているようですね。2005年に韓国へ見学に行って、韓国の警察署で意見交換した際、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20051103#1130955899

でコメントしたように、警察署幹部が、

韓国警察は、独立した捜査権がなく検察庁に従属しており、独立した捜査機関である日本警察のようになりたいと考えている

と述べていて、私が、

戦前の日本は、現在の韓国と同様の仕組みであった。戦後、警察に各種の権限が与えられ独立した捜査機関になったが、同時に、与えられた権限を責任を持って適正に行使する仕組みになっていたはずだった。しかし、その後の展開の中で、警察の持つパワーが強大になり、持てる権限を適正に行使するという点が不十分になっている弊害が出ている。今後、韓国警察が独立した捜査機関になる際には、このような弊害にも目を向け参考にしてほしい。

と述べたことが思い出されます。
捜査を適正化するための方策は、どこの国でも頭の痛い問題ですが、韓国での上記のような動きが、今後、どのように展開するのか、日本の今後を考える上でも注目されるように思います。