PCI特別背任事件 崩れた検察側の立証構図

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100510/trl1005102312011-n1.htm

検察側が描いた構図が完全に否定された国の遺棄化学兵器処理事業を舞台とした特別背任事件。判決はほぼ弁護側の主張通りに認定されており、検察側の立証の甘さが際立つ形だ。

ある検察OBは今回の事件について「事件は内紛に基づく内部告発に端を発しており、最初の構図にとらわれすぎたのではないか」と話す。今回の高裁判決は特別背任罪の立証の難しさをにじませるとともに、検察の立証のあり方に再考を促すものとなりそうだ。

あくまで一般論ですが、内紛や内部の不祥事といったことから内偵に入り、業務上横領とか(特別)背任といった事件を立件する、といったことに発展する場合がありますが、それで終わりになるのが警察捜査であり、検察捜査、特に特捜部の捜査では、そういった事件はあくまで「入口」にしか過ぎない、という位置付けになるものです。その先にある狙いは、何といっても贈収賄、「収」のほうはその辺の木っ端役人ではなく、赤絨毯の上を歩いているような国会議員、高級官僚ということになります。
その場合、どういうことが起きがちかというと、より大きな狙いへと発展させるため、「入口」のほうを、まず立件ありき、ということで(そこが立たないと後に続かないので)無理をして立ててしまう、ということです。そういった無理が、後々まで尾を引き無罪(一部無罪を含む)が出る、ということは、過去にもあり、それはそういった無理が響いたというケースが多いと思います。思い込みが激しい、証拠を平気でねじ曲げてしまうような決裁官がいたりすると、物事は悪い方向に傾きがちです。
これは、あくまで一般論ですから、記事にあるPCIの事件がそういった原因で無罪になったかどうかは、証拠も見ていない私には、もちろんわかりません。