検事総長、可視化を「効果的調べの動機に」 全国地高検トップ会議

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110928/trl11092816450006-n1.htm

全国の高検、地検トップが集まる「検察長官会同」が28日、法務省で開かれ、笠間治雄検事総長は検察改革の一環で試行中の取り調べ録音・録画(可視化)に関し「事後の検証が可能で取り調べ適正化に資する。検事も客観証拠収集に努めるなど、効果的で中身の濃い調べを行う動機づけになる」と評価し、積極的な試行を重ねて指示した。
可視化により供述が得られにくくなるとの懸念については「私もあると思うが、試行するなかで実際に何が弊害なのか実証する必要がある」とした。

従来の、密室における取調べに対する不信感はますます広がっていて、このままでは、取調べというものの真相解明機能が、不信感という大海の中で木の葉のように舞う小舟のようになって沈没しかねない危機感、といったことを、検事総長は実務経験が豊富であるだけに強く感じているのかもしれません。
こうして、取調べの可視化が進めば、取調べに不向きな検察官、というものも顕在化して、取調べを任せられない、といったことも起きてくるでしょう。従来のように、見よう見まねで取調べをするのではなく、適正な訓練を行い、スキルとして身につけるということを、組織的、継続的に、絶え間なく行う、ということも、当然、必要になってもきます。
検事総長がこのような訓示をするということで、可視化への流れは確実に進み、もはや、可視化するかどうか、ではなく、どのようにして可視化を実現するかということが積極的に検討されなければならない段階にきていると言えると思います。そういった意味での頭の切り替えも必要でしょう。