硫黄島の水不足深刻 海自一部撤収、遺骨収集にも影響か

http://www.asahi.com/national/update/0807/TKY201108070095.html

硫黄島には川がなく、自衛隊の貯水池が唯一の水源。航空機の滑走路に降った雨水が流れ込む仕組みで、浄水して隊員らの生活用水や航空機の洗浄などに使ってきた。硫黄島の周囲は波が荒く、火山島で地殻変動が続いているため、港を造ることができず、船で水を運ぶこともできない。

硫黄島に関する文献を読むと、栗林兵団長指揮の下、節水に努め、ぎりぎりの状態で生活する姿が紹介されていますね。水を、規定に反して使用した将校を、栗林兵団長が厳しく叱責した場面を読んだこともあり、指揮官が率先し全軍で節水に努めていたことを、上記の記事を読んで思い出しました。
今の平和な時代であれば、水がなければ撤収することもできますが、サイパン島が敵の手に落ち、本土防衛の捨て石となる覚悟で、渇きに耐え、地下壕の構築作業(地下は地上よりもさらに高温で、水も満足に飲めない中、厳しく苦しい作業であったとのことです)に励み、死地に臨んだ将兵の心中、苦労はいかばかりのものであったかと、当時がしのばれました。
間もなく、終戦記念日ですが、国策や戦争指導の誤りがあったにせよ、戦陣に散り戦火に倒れた人々の尊い犠牲の上に、現在の平和で豊かな生活が存在しているということを、忘れてはならないということを痛感します。