日本海軍400時間の証言―軍令部・参謀たちが語った敗戦

日本海軍400時間の証言―軍令部・参謀たちが語った敗戦

日本海軍400時間の証言―軍令部・参謀たちが語った敗戦

先日、読みながら、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20110801#1312164910

とコメントしましたが、読み終えました。最近、読んだ本の中では、かなり読み応えがあり印象に残る内容でした。
海軍軍令部関係者などによる「海軍反省会」の模様や、そこで取り上げられた出来事への取材状況などが紹介されていますが、NHKスペシャルでは取り扱われなかったり、ごく簡単に取り上げられただけになっていたものも、詳細に紹介されていて、やはり、映像だけでなく、こういった形で書籍化する意味、意義ということを感じました。
戦後、日本を破滅へと導いたのは陸軍で、海軍は必死に抵抗したが食い止められなかった、といった、陸軍悪玉、海軍善玉という論調がかなりの影響力を持っていたと思いますが、この本を読むと、改めて、実態はそういった単純な図式では描けない上、海軍関係者も、戦時中、捕虜や非戦闘員の殺害などを犯し、しかも、戦後はその隠蔽を徹底して行ったということがわかります。そういったことにも、「反省会」では話が及んではいますが、とても反省しきれているようには見えないところに、実態の重大性ということが感じられました。
この本の編集作業の大詰めの時期に、東日本大震災が起きたということですが、その後、政府、東京電力などで起きている様々な問題も、将来、「反省会」のような形で振り返られることになるのだろうかと、ふと思いました。