堀栄三・元大本営参謀に関する本

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)

幻の大戦果・大本営発表の真相 (NHKスペシャルセレクション)

幻の大戦果・大本営発表の真相 (NHKスペシャルセレクション)

今夜、放映されたNHKスペシャル

原爆投下 活かされなかった極秘情報
http://www.nhk.or.jp/special/onair/110806.html

で、堀氏のインタビューが流れていて、感慨深く、興味深く観ました。堀氏の著書「情報戦記」でも、NHKスペシャルで紹介された、原爆投下機について情報を察知していたことは紹介されていて、久しぶりに、その箇所を読んでみました。
「情報戦記」では、堀氏が、大本営情報参謀として、情報というものに、いかに取り組んでいたかが具体的に紹介されていて、今にも通用する、貴重な教訓の宝庫と言っても過言ではありません。
堀氏の情報に対する取り組みが紹介されているのが、「幻の大戦果」で、台湾沖航空戦の大戦果、ということに疑問を持った堀氏が、徹底的に調査して、大きな戦果はなかったことを解明する経緯に、興味深いものがあります。その情報が生かされなかったことで、連合軍の機動部隊が大きな打撃を受けたという誤認が誤認として維持されたままになってしまい、フィリピン戦線での戦略での過誤へとつながってしまったことは、「情報戦記」でも紹介されています。
両書とも、今なお、読む高い価値のある本と思います。