特捜起訴権限分離も 検事総長「内部で検討」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011030102000023.html

笠間検事総長は「警察の取り扱う事件は、検察が第三者の目で冷静に起訴の判断をするが、特捜部は自分で捜査して自分で起訴するから暴走しやすい」と指摘。特捜部の主任検事を補佐する立場に公判部など特捜部以外の検事を置き、起訴の可否を判断させる案などを示した。一方で「内部でも賛否両論がある。もっと議論して判断したい」とも話した。

こういった議論がされること自体は、悪いことではなく、今後の議論の広がりも期待できるようには思います。
ただ、検察庁という組織の中では、従来、特捜部のパワーがあまりにも強大であっただけに、それを監視するとか起訴の可否を判断するといっても、どこまで実効性があるかは大いに疑問です。検事総長の決裁まで得て特捜部が動き、マスコミも騒ぎ、特捜部が起訴相当と判断した事件を、公判部などの検事が、問題点に気付いて、これは起訴できないと判断し事件をつぶしてしまうということが本当にできるでしょうか?そういう判断をするにあたっては、判断する力と、その判断が人々をして納得させられる権威(見かけのものではなく実質的な意味での)というものが必要でしょう。そういった点は、今後、この議論が広がる中で、刑事司法の在り方という広い視野の中において検討される必要もあると思います。