http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091130-00000180-jij-soci
救急車を呼ばずに長女を放置した行為に殺人罪が適用されるかが争点だった。嶋原裁判長は医師の証人尋問の結果から「救急車を呼ぶなどしても、(長女に)救命の可能性があったとまでは認められない。本件は殺人罪の実行行為性を欠く」と結論付けた。
公判は、07年にいったん結審したが、地裁が地検に救命可能性の追加立証や傷害致死罪の予備的訴因追加を求めたため、2度にわたり判決期日が延期され審理が再開される異例の経緯をたどった。
以前、
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20071012#1192155255
とコメントした事件のその後ですね。
先日までマスコミでかなり取り沙汰されていた、芸能人による薬物使用事件の「余罪」の可能性がある事件(保護責任者遺棄致死罪適用かと言われている)にも通じる難しさを、上記の記事の事件から感じるものがあります。公判でこういった紛糾、審理の長期化が生じないためにも、慎重な捜査、起訴の可否に関する慎重な判断というものが、この種事件では必要と言えるでしょう。
余談ですが、嶋原裁判長は、私が東京地方検察庁公判部に新任検事としていた当時、判検交流で検察庁に勤務されていて、同じ公判部の検事室に所属していました。今はもうなくなった、古い検察庁の建物(現在の弁護士会館の場所にあった)でした。気さくな方で、刑事事件の理論的なポイントについて、時には執務時間外に部屋でお酒を飲んだりしながら、いろいろとお話を聞き、参考になったことが思い出されます。