第14回刑事弁護経験交流会(平成22年3月6日・高知会館)

日弁連、四国弁護士会連合会、高知弁護士会主催で、昨日午後、行われましたが、初めて参加してきました。
テーマは、第1部が勾留・保釈取消の取組について、第2部が被害者参加制度下における弁護活動、ということで、いずれも、刑事弁護を行う上で避けては通れない重要な問題で、配布された資料(前回の第13回の資料も配布されたことは、初めて参加するものとしてはありがたいことでした)や発表、第2部についてはパネルディスカッションと、なかなか充実した、中身の濃い内容になっていました。
勾留、保釈については、確かに、以前と比べ、勾留請求の却下、早期の保釈、勾留の取消といったことが認められやすくなっていることは報告等からもうかがわれ、私のように、20年余り前から刑事実務に携わっているような者としては、従来の常識、感覚にとらわれすぎることの危険性を感じました。保釈保証金についても、以前であれば考えられなかったような低額で認められている事例も報告されていて、被告人の資力やその他の身柄引き受け状況等に応じ、実質的に検討し裁判官を説得する必要性ということも考えさせられました。
被害者参加制度については、なかなか難しい問題であるだけに、議論が、こうすれば効果的、といった方向性を見出すまでには至っていないように感じられましたが、既に制度ができ走り出している以上、制度そのものへの賛否はともかく、実務家としては、制度の中で、自らが代弁する利益に最大限沿うべく、様々な事例についても慎重に検討しながら工夫を重ねる必要性ということを感じました。パネラーの1人であった指宿教授(成城大学)が、日本の日ギア社参加制度が、世界的な流れの中の、例えば治療的司法という考え方に照らせば、問題のある制度であるといった指摘をされていて、現行の被害者参加制度についても、固定的なものとせず見直しを行う必要性ということも考えさせられました。
いろいろな意味で参考になり、良い刺激にもなって、忙しい中での参加でしたが、満足できるものとなりました。