http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091106/trl0911062033011-n1.htm
最高裁はいったん判決期日を指定していたが、同じ日に弁護側が新たな主張を提出。弁護側の申し立てを受けて、判決期日を取り消していた。
同小法廷は2審の結論を見直すために必要な弁論を開かずに判決期日を指定していたため、罰金5万円とした2審の逆転有罪判決が確定する公算が大きい。
先週の日弁連人権擁護大会の分科会で、この事件も取り上げられ、被告人のスピーチも聞きましたが、真面目で実直な方という印象を受けました。
ただ、住居侵入罪における「管理権」というものを、形式的にではなく、もっと実質的に構成して、ピザや寿司のチラシは放置されているのに主義主張があるビラは狙い撃ちされるという現状を、例えば管理権の濫用といった構成で捉えるなど、構成要件の解釈を深めて行かないと、表現の自由は優越的地位を占めるから、民主主義社会では重要な権利だから、といったことを強調しているだけでは、なかなか有罪を無罪へは逆転できないのではないかという印象を受けました。
そのあたりは、今後の大きな課題でしょう。
追記:
最高裁第二小法廷平成21年11月30日判決(上告棄却)
判例時報2090号149頁
判例時報2145号175頁(判例評論640号29頁)