児童福祉法34条1項6号違反の児童に淫行をさせる罪と児童買春・児童ポルノ等処罰法7条3項の児童ポルノ製造罪とが併合罪の関係にあるとされた事例

最高裁第一小法廷平成21年10月21日決定(刑集63巻8号1070頁)ですが、判例時報2082号160頁以下に掲載されていました。
既に改正されましたが、問題になった児童淫行罪は、かつて家裁の専属管轄で、児童ポルノ法違反のほうが観念的競合の関係にあれば家裁で審判、併合罪の関係にあれば地裁で審判すべきで、本件の原判決までは観念的競合と判断しましたが、最高裁併合罪と判断し、原判決を法令違反としたものの、破棄しなければ正義に反するとまでは認められないとして上告を棄却したものです。
一見、奥村弁護士好みのマニアックな世界の話に見えますが、判例時報のコメントでも指摘されているように、最高裁判例で観念的競合における一個の行為について、「法的評価をはなれ構成要件的観点を捨象した自然的観察のもとで、行為者の動態が社会的見解上一顧のものとの評価をうける場合をいう」とされているところ、本件で問題となった、「児童をして性交させ、または性交類似行為をさせること(淫行させる行為)」と、「性交等に係る姿態をとらせデジタルビデオカメラで撮影して児童ポルノを製造すること」について、行為の重なり合いがあることを認めつつ、両行為が通常伴う関係にないことや両行為の性質等を理由に、行為の一個性を否定して併合罪関係としているところに、罪数判断の手法として参考になるものがあると言えるように感じられます。