ロースクールへ行く前に

ロースクールへ行く前に ― 司法試験合格後のキャリア不合格後のキャリア

ロースクールへ行く前に ― 司法試験合格後のキャリア不合格後のキャリア

昨日、六本木ヒルズ森タワー内の書店に立ち寄ったところ、これがあったので、興味を感じ購入して、すぐに読んでみました。ロースクールへ行けば洋々たる未来が開けますよ、といった幻想を振りまくような書籍もありますが、これは、そうではなく、ロースクールへ行くという選択をする前に、現状を冷静に見つめ司法試験合格に至らなかった場合の身の振り方についても予め念頭に置いておくべき、といったことを、淡々と書いているのが特徴でした。
私も受けたかつての司法試験では、現行の司法試験以上に(それよりも遙かに、と行ってよいと思いますが)、合格できないリスクが高いもので、私自身も、受験勉強を始めた当時から、それは強烈に意識していたものでした。私の場合、大学卒業後(あるいは卒業後留年して)2年程度までは受験を続け、それまでに何とか合格できる見通しがあればそのまま受験し続け、見通しが立たなければ転身しようと考えていたことが思い出されます。幸い、大学4年生の時に合格できたので、転身すべきかどうかで悩む、迷うということはせずに済んだのですが。
かつては大学3年時から司法試験受験が可能で、新卒として就職が可能な間の手応えを見て、難しそうであれば転身するという選択も可能であったものが、ロースクール制度になったばかりに、散々、お金や労力をかけた上で合格もできず転身にも窮し、という人が続出する事態になってしまっていて、そういった事態について何の救済策も講じられていないことも含め、制度設計が失敗していると思わざるを得ません。
ただ、嘆いたり文句を言っていても始まらないので、心ある人は、上記のような本を読むなどして冷静に進路を考え、制度の犠牲者にならないようにすべきでしょう。