「警察官の証言信用できない」公務執行妨害、一転無罪に

http://www.asahi.com/national/update/0707/NGY200907070006.html

判決は、巡査長が現行犯逮捕する際に男性を転倒させた場面について、「被告が体当たりをしてきた」とする巡査長の供述と、「両手首をつかまれ、できなかった」とする被告の証言を検討。一緒にいた同僚巡査の証言が被告と一致するのに対し、巡査長の証言は「男性を負傷させた行為の適法性にかかわる事情で、記憶に反する供述をした疑いが濃い」として、信用性が低いと判断した。

警察官に対する公務執行妨害は、実際に妨害されたという場合だけでなく、警察官側に何らかの思惑があってでっちあげられているという場合も、数は多くはありませんが含まれていて(「転び公妨」もその一種)、検察庁としても、そういったこともあるということを念頭に置きつつ慎重に対処すべきタイプの事件ではないかと思います。
その意味で、上記のような判決理由を見ると、起訴時における証拠の評価が不十分であったのではないかという印象を強く受けます。
最近の検察庁の方針として、警察官に対する公務執行妨害事件については厳格に臨むということになってきているようですが、内在する危うさということについては常に意識し、慎重に証拠を吟味しなければならないでしょう。