父は無罪で息子は有罪、通貨偽造の「共謀」めぐり判断別れる 京都地裁

http://news.livedoor.com/article/detail/8369257/

方秀被告との共謀を否認した元夫被告の公判では、方秀被告の証言は信用できないとして通貨偽造・同行使について無罪とした1審京都地裁判決が確定した。
しかし、方秀被告の公判では、元夫被告との共謀を捜査段階から一貫して認めてきた方秀被告の証言が証拠として採用され、同じ事件で異なった判決が下される格好となった。

刑事公判の実状を知っている人にとっては不思議なことではありませんが、知らないと、こういう事態は奇異に感じられるかもしれません。
共犯事件で、公判が別々に行われると、一方は認めて他方の調書には同意(したがって他方を共犯と判決で認定)、他方は否認して共犯者の調書を不同意、ということになり、不同意になった調書や公判での証言が信用できないとされる、ということは時々起りますね。信用できない、とされた共犯者供述、証言以外にさしたる証拠がなければ無罪、ということになり、共犯者で有罪、無罪と結論が分かれるケースも出てきます。
供述調書というものは、信用されるような体裁を持ちつつ争えば信用性が否定される要素、可能性を常に抱えているものなので、安易に同意して証拠採用されることには慎重でなければならない、ということでしょう。