共謀罪、捜査当局の切り札=日米法律の差異突く−ロス疑惑

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080927-00000024-jij-soci

「『日本に共謀罪は存在しない』『日本では犯罪を謀議しただけでは裁けないのです』」。検察は、日本で審理された共謀共同正犯と米国の共謀罪の違いを入念に調べ上げ、日米の法律の差異を強調。日本の法律に精通した米ロースクールの教授を証人申請し、日本で共謀罪を創設する法案が見送られた経緯などの証言を引き出し、共謀罪が日本に存在しないことを裁判官に強く印象付けた。

日本における共犯処罰では、共謀のみで犯罪が成立するということは基本的になく、共犯者中の誰かが実行行為に着手するといったことがあった場合に、そこからさかのぼって共謀した者も(共謀したというだけであっても)処罰される、という構造になっています。
ロス疑惑については、既に日本で刑事裁判が行われ、三浦氏については、殺人未遂罪で有罪、殺人罪では無罪判決が出ていずれも確定していますが、そこで問題になったのは、有罪判決については殴打行為、無罪判決については銃撃行為というそれぞれの実行行為に関わる共謀であり、実行行為に結び付かなかった共謀までが問題になったわけではない、という考え方も、成り立つ余地はあるのではないか、という印象を受けます。
ただ、そういった切り分けはできないのではないか、一見、実行行為に結び付かなかった共謀についても、実行行為に結び付く可能性があった以上、潜在的かもしれないが審理の対象にはなっていて二重の危険における「危険」が生じている、だから一事不再理が適用される、という考え方もあり得て、かなり微妙な問題、という気がします。