「殺人告白」死刑囚に無罪 「執行引き延ばすためうそ」と認定 裁判員裁判

「殺人告白」死刑囚に無罪 「執行引き延ばすためうそ」と認定 裁判員裁判(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

判決は津川さんの事件について、被告の指示で遺体を埋めたとする元配下組員の証言を「信用できる」と認定しつつ、間接証拠から被告の殺人への関与は推認できないと指摘。「直接的な証拠」の上申書について「死刑確定後(の15年)に約19年前の事件を突然告白しており、死刑執行の引き延ばしが目的」とし、記された被害者名が津川さんと異なることなどから「誰が殺害されたのかを知らない程度の関与しかしていなかったことをうかがわせる」と述べた。
また、斎藤さんの事件については、被害者の死亡現場が被告の組と別の組の事務所だったことなどから、殺人への関与は認定できないと判断。この事件の上申書も「執行引き延ばしが目的」とし、「殺人の実行犯でなければ知りえない情報は全く含まれておらず、殺害状況に関する記載も具体性に乏しい」とした。

 「記された被害者名が津川さんと異なることなどから「誰が殺害されたのかを知らない程度の関与しかしていなかったことをうかがわせる」と述べた。」というところに、本件の問題点が現れているように感じました。

殺人罪で有罪になるためには、少なくとも共謀に関与していることが必要ですが、共謀にも実行行為にも関与しないまま、例えば幇助とか、あるいは話だけ後から聞くとか、そういった関わりの持ち方もあり得ます。自白だけではなく、共謀、実行行為といったことにそれなりの裏付けがないと、自白が覆った場合、なかなか有罪判決というわけにはいかないでしょう。本件では、そういった問題点が露呈したという印象を受けます。

起訴の時点での、主任検察官や決裁官の判断が甘かった可能性が高い気がします。