刑事の8割「捜査に協力得にくい」 警察白書

http://www.asahi.com/national/update/0822/TKY200808220127.html

捜査への協力が得にくい理由(複数回答)として、約6割が「後々警察に話をするのが面倒と考える人が多い」、約5割が「情報提供に慎重な会社が多い」と回答。具体的なケースとして、資料の任意提出や聞き込みでの情報提供を拒まれることを挙げる人が多かった。
一方で、照会や差し押さえ、電磁的記録の解析などで、約8割が「捜査事項が増加している」と回答。新たな仕事の負担を感じている。
白書は、携帯電話やインターネットの普及で振り込め詐欺などの匿名性の高い犯罪が増えたとも指摘。警察が重視してきた「人」や「物」からの捜査が難しくなっているとし、高い確率で個人識別ができるDNA型鑑定や電子機器の解析など科学技術を捜査に活用していく必要性を訴えた。

弁護士になって、捜査を外側から見ていて感じるのは、捜査機関の自分勝手さ、横暴さ、口のきき方を含む対応の悪さ等々が、それでなくても得にくい捜査協力を、さらに得にくくしている、という面もあると思いますね。そういった面で、内部における教育の必要性ということを、今後、さらに認識して適切な措置を講じることも重要でしょう。
捜査は、物証、客観的な証拠、科学的な証拠というものを重視して進められるべきですが、やはり、最後に物を言うのは供述証拠であり、適切に「人」に聞く、ということを避けて通ることはできません。国民から信頼される捜査官、というものは、取調べにおいても、被疑者から信頼されこの人なら真実を話そうという気を起させるものでもある、ということを捜査機関には十分認識しておいてほしいと思います。