タイ警察おとり捜査、違法性認めず=覚せい剤密輸公判で―東京地裁

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170303-00000055-jij-soci

タイから覚せい剤約11キロを密輸した罪に問われたが、現地警察が覚せい剤をいったん押収し、密売人を装って被告側に届けた捜査手法が問題となった。
稗田裁判長は「日本で通常、こうした手法を用いることはないが、各国の法制度は異なる。外国警察の捜査は、日本の刑事訴訟法に拘束されない」と述べた。

先日、マスコミ関係者からこの件についてちょっと聞かれたのですが、海外における捜査機関の証拠収集はその国の法制度に基づいて行われるもので、それを日本の基準に照らして違法性を問題にして証拠能力を判断することにはならないだろうとコメントしました(記事等にはなっていませんが)。それが従来の刑事実務におけるスタンダードな考え方でしょう。
ただ、海外とはいえ違法性が極めて強い手法で収集された証拠であっても日本の法廷で常に証拠能力を有するかと考えると、限定的ではあっても例外はあるような気がします。どういう場合に証拠として許容できないのか、今まで論じられていないところではないかと思われ、今後、議論をさらに深める必要性を感じるものがあります。