科捜研職員でっち上げ、過去書類で鑑定書捏造か

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120815-OYT1T01427.htm?from=tw

捜査関係者によると、この研究員は化学部門を担当。麻薬やひき逃げ事故現場に残された車の塗膜片などの鑑定作業に従事しているが、以前行った同種の証拠品の鑑定書を流用し、件名などを書き換えるなどの方法で複数回、鑑定書をでっち上げた疑いが持たれている。
刑事裁判で証拠採用された鑑定結果が虚偽とわかった場合、再審につながりかねないことから、県警は、刑事部内の捜査員を投入するなどして、研究員がこれまで関与した鑑定の内容に不審点がないか、調査を進めている。同研究所には約15人の職員が所属している。

戦後の日本警察の重要な指針は「科学捜査」で、そのため、各都道府県警察に置かれた科学捜査研究所は重要な位置付けとなっていて、組織も、都道府県警察本部の直轄(確か刑事部長の指揮下にあるはずです)になっていて、厳正に鑑定等を行うようにされてきています。実際、私自身の経験(特に検察庁当時)でも、捜査としてはこういう鑑定であってほしい、という「雑音」にはとらわれずに鑑定等が行われていたという印象があります。裁判所からも、そういった意味での一定の信頼は得ていると言っても過言ではないでしょう。とは言え、警察内部の組織ですから、常に、警察寄りの偏った業務を行っているのではないか、という疑惑、批判の目が向けられているのも事実で、上記のような不祥事は、そういった疑惑、批判を裏付け、今後の業務に多大な支障を来たす可能性が高いでしょう。
懸命に培い、築き上げてきたものも、不心得者の行為で、一挙に崩壊してしまう、ということを、しみじみと感じますね。