時効殺人の賠償命じる 除斥を適用せず 東京高裁判決

http://www.asahi.com/national/update/0131/TKY200801310325.html

除斥期間を適用せずに損害賠償の請求権を認めた事例は、集団予防接種によるB型肝炎ウイルスの感染で国の責任を認めた06年6月の最高裁判決などがあるが、遺族側代理人の弁護士によると、時効となった刑事事件をめぐって請求権を認めたのは初めてとみられる。長期間、未解決だった事件について犯罪被害者の権利を重視した判断として、今後の同様のケースに影響しそうだ。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060926#1159261183
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20071220#1198085900
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20071223#1198399477

でコメントした、女性教諭殺人事件ですが、除斥期間に関する

判決はこうした経緯を踏まえ、石川さんの請求権を相続した遺族が権利を行使できないのに、男が20年で賠償義務を免れることは「著しく正義・公平の理念に反する」と判断。「特段の理由があり、民法上の規定にかかわらず、遺族が相続した千佳子さんの請求権は消滅したとはいえない」と結論づけた。

という判断は、本件の解決としては妥当な結論を導くものの、除斥期間という制度が設けられた趣旨に照らすと、「著しく正義・公平の理念に反する」「特段の理由」を、やや広げすぎているのでは、という感もあり、最高裁の判断を見てみたい、という印象を受けます。