日弁連総会、新人会費減額に紛糾 法曹3千人計画に批判

http://www.asahi.com/national/update/1206/TKY200712060365.html

案をめぐって、司法試験合格者を年間3000人に増やす政府計画に歩調を合わせる執行部方針に対する批判が続出。執行部は苦しげな答弁を繰り返した。
減額は、弁護士の大幅な増加で新人の「就職難」や「報酬の低下」が現実化しつつあることに配慮して執行部が提案したもの。これに対し、3000人計画に反対する立場の出席者から「計画への賛成を見直さずに減額するのは本末転倒だ」といった意見が相次いだ。

個人的には、こういった提案(新入、若手会員の負担軽減)には賛成してあげたい、と思いますが、制度全体の健全な構築、維持、という観点からは、やはり、いかがなものか、と思います。
現在の3000名態勢は、需要と供給の関係では、まだまだ前者に対して後者が追いついていない、競争が激化する中で不適格者は淘汰されて行くはずである、結局は市場を信頼し市場に決めてもらうべきである、という、「牧歌的な」考え方に基づいて決められたものと私は理解しています。牧歌的に決められ、実現されたものですから、実現後に、急に、それも日弁連が悲観的になり、会費の減額を行う、というのは、やはり、おかしな話で、そもそもの趣旨にも合わないでしょう。
その意味では、新入会員の就職先がないから、と言って、日弁連が騒ぐのもおかしな話であり、そういうことは需要と供給の関係で決まるもので法律事務所に就職できない人は別の仕事を探してください、というのが、、そもそもの制度趣旨のはずです。
地域によっては、司法修習生が増加したことにより本庁だけでは手が回らなくなり、司法修習を支部でも行う際に、弁護士会司法修習生の宿泊費を負担しているようなところもあるようですが、そういったことを行うことは、上記のような趣旨に沿いませんから、目先の、かわいそうとか気の毒だ、といった感情で動くのは、良くないと思います。あまり良い例えではないかもしれませんが、医者が、自腹を切ってモルヒネを買い、末期がんの患者に投与しているようなもののような気がします。
「神の見えざる手」か何かがはたらいて、良い方向に落ち着く、ということを考えた人がいて(その人たちが、その後、どこで何をしているかは知りませんが)、こうなっているわけですから、神の見えざる手か何かがはたらくことを期待して(結局、「幻想」だった、ということになりそうですが)、余計なことは一切しない、ということで進めて行くべきでしょう。