法曹人口大幅増員問題めぐり大阪弁護士会で“内紛”

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080804/trl0808040002000-n1.htm

同会が3000人問題対策に奔走するのは、すでに新人弁護士の環境が悪化しているからだ。
今年12月に司法修習修了予定の弁護士希望者は大阪だけで約200人。このうち約40人がまだ就職先の事務所が決まっていない。
最近では、昼間の研修後、夜間に何軒も事務所を回って就職活動をしなければならない。数十軒の事務所を訪問しても、就職の決まらない修習生もいる。
受け入れ側の事務所も「弁護士の数が増えても扱う事件は増えない。事務所に所属できない新人弁護士が相次げば質の低下につながる」と指摘する。

私の場合、本ブログで繰り返し述べているように、しがない、細々と生きる弁護士でしかありませんが、なぜか忙しさが増していて、今年は夏休みも取れそうにありません。では、新人弁護士を採用すれば良いか、というと、やってもらう仕事はほとんどないな、というのが正直なところです。きな臭かったのがはじけて火が付いてしまった事件の資料を、今日からの接見に備え、先ほどまで検討していたのですが、この事件で新人弁護士とか、それに毛の生えたような人に何かをやってもらえるかというと、恐くてとても任せられません。
厳しいことを言うようですが、こうなってしまったのは、規制緩和や自由競争が進めば進むほど物事はどんどん好転し、競争に敗れた人はより良い仕事を見つければ良いし十分転身できるはずである、という牧歌的な考え方(妄想とも言えますが)に取りつかれた人々の所業であり、お付き合いにも自ずと限界があります。救命ボートの最大収容可能数を超えて漂流者を収容すれば、ボート自体が沈んで全滅してしまうのであれば、最大収容可能数を超える人々には、残念ながら、ボートに乗る以外の方法で生き延びることを考えてもらうしかないでしょう。その意味で、ボートに乗らなければならない人の数を減らす(合格者減)というのは一つの方法ですが、それが難しいのであれば、日弁連や単位弁護士会が、新規登録弁護士の事務所探しの面倒を見る、といったことから手を引き、そこは自己責任で探してもらい、みつからない人には、当初から独立開業でもするか他の仕事を探してもらう、と割り切って行く、ということが、今後は避けて通れないのではないか、と思います。