弁護士先輩事務所の机借り給料はなし、新人「ノキ弁」増加中

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071118AT1G0501Q17112007.html

先輩の事務所の机を借りるだけで給料はもらわない「軒先弁護士(ノキ弁)」になる新人弁護士が増えている。司法試験の合格者が段階的に増え、就職先が減ったための苦肉の策だ。自宅を事務所として登録せざるを得ない“タク弁”の新人も目に付き始めており、日弁連は1人事務所に新規採用を促すなど、就職先の確保に努めている。

私が、ヤフー株式会社に在籍しつつ最初に法律事務所に在籍した際は、常時使える机すらなく、時々、「こんにちはー」と事務所を訪れて、机が空いていたら使う、という、究極の「ノキ弁」状態でしたね。もちろん、そこから給料はもらっていませんでした。
同じ「ヤメ検」でも、四方八方からスポットライトを浴びつつ巨大事務所に鳴り物入りで迎えられるような恵まれた人もいれば、私のように、まったく何もない白紙の状態から独力でスタートして、亀の歩みのように一歩一歩進めて行く、という恵まれない人もいます。人生いろいろです。
余談ですが、時々、私が、ヘッドハンティングされて検察庁を辞め、ヤフー株式会社に入った、と勘違いしている人がいて、そういう勘違いをしてもらえることはうれしいのですが、実際はそうではなく、自分で(と言ってもその種の活動をしている会社に登録しそこから紹介されたものですが)探して応募し、他の中途採用者とまったく同様に、入社試験も受け、採用が決まったものでした。最近、司法修習終了者に入所試験を課している法律事務所がある、と話題になっていますが、11年余りの法曹経験があって入社試験を受けて入社した、というのは、多分、私くらいではないかと思います。
それはともかく、今でも、自宅で仕事することは少なくなく、その意味では私も「タク弁」の一人と言えるかもしれません(自宅で事務所登録はしていませんが)。
要は、きちんと仕事を確保し、遂行して行くことが重要であり、仕事のスタイル自体に意義、意味があるわけではないと思います。日弁連も、従来の「弁護士」像に引きずられることなく、既に登録し「就職」している弁護士が、SOHO型のスタイルでも十分やって行けるような各種支援(ウェブを利用した情報提供、相談体制の整備など)を積極的に進めるべきでしょう。