千葉の鉄筋不足マンション 施工ミス伝えず契約 販売会社の野村、三井

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071114/crm0711142231036-n1.htm

野村は「補修工事をするので品質上の問題はない。引き渡し時期も遅れないので顧客に説明する必要はないと判断した」としているが、宅地建物取引業法では、購入予定者に対し、建物の構造など重要事項の説明を義務付けている。

事件(にまでなるかどうかは知りませんが)の構図としては、以前、大阪で、敷地における土壌汚染のマンションを販売していた、ということで捜査が行われていた

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20041028#1098943028
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20041122#1101083785
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050610#p2

と同様、ということが言えるように思います。
大阪の事件は、宅建業法違反で立件され、処分は起訴猶予になったということですが、土壌汚染の隠ぺいで犯罪事実は認定されていますから、建物の構造そのものに関わる鉄筋不足を告げずに契約した、ということになると、犯罪事実が認定される可能性は、より高い、ということは言えるように思います。
上記の記事にある「野村」の論法が通用するのであれば、土壌汚染があっても除去してきれいにするので説明する必要はない、ということになりますが、それで済む問題なら、大阪の事件も、あそこまで問題にはならなかったでしょう。考え方の甘さを感じるとともに、コンプライアンス意識の低さ、を感じます(「野村」不動産ですから、証券のほうで今までやってきたことを想起すると、所詮、こんなものかもしれません)。
更に言えば、上記の大阪の事件について以前に本ブログで指摘したように、今回の鉄筋不足の件についても、宅建業法違反のみにとどまらず、詐欺罪の成立まで認定される可能性、ということも、考慮すべきでしょう。
一連の耐震偽装問題で、詐欺罪で立件、起訴されたケースがありますが、耐震性に問題があることの隠ぺいにしても、鉄筋不足の隠ぺいにしても、購入者の購入意思決定を左右するものであれば(前者は当然として、後者についてもその可能性はあります)、詐欺罪の実行行為と評価されるに足りるもの、ということは言えるように思います。
今後、捜査にまで至るのか、事件化されたとしてどこまで伸びて行くかが注目されます。