http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070820-00000065-san-soci
司法制度改革に伴う弁護士増員時代を迎え、大阪弁護士会は今夏、司法修習生の就職支援を専門とする特別委員会を全国で初めて設置し、活動をスタートさせた。
雇用確保の新たなターゲットにしたのは、弁護士が1人でも依頼者を多く抱え、経営状態が良好な事務所。新人を雇用することで仕事に余裕ができる上、弁護士が高齢ならそのまま事務所の「後継者」も確保でき、一石二鳥になると考えた。
民事事件、刑事事件をはじめ、弁護士に対する需要は、弁護士事務所の経営にあわせて都合良く起きてくるものではないので、固定費としてかなりの出費になる人件費については、特に弁護士が1人で運営している事務所は、慎重にならざるを得ません。「弁護士が1人でも依頼者を多く抱え、経営状態が良好な事務所」であれば、弁護士会に言われるまでもなく、勤務弁護士の雇用は検討し必要に応じて行うはずで、その辺に慎重な事務所に対し、無理に勤務弁護士雇用を押しつけるようなことをすれば、事務所運営に支障を来す恐れがあるでしょう。供給過剰だから、無理に需要を作る、ということになれば、本末転倒であり、弁護士業界全体が一種の共倒れになりかねません。
司法試験合格者や司法修習生がなぜ増えたのか、増やしたことについて権限を持っていた人々が何を考えて増やしたのか、といったことを改めて良く考え、弁護士会として、できること、できないことを切り分けて考える必要があるのではないかと思います。