「反転―闇社会の守護神と呼ばれて」(田中森一)

反転―闇社会の守護神と呼ばれて

反転―闇社会の守護神と呼ばれて

私は、平成2年4月から平成5年3月まで、徳島地検で勤務しましたが、徳島地検には大阪系の検事が多く、田中氏の検事時代の逸話や、弁護士転身後の活躍振りは、かなり聞いたものでした。上記の本にも出てきますが、昭和63年に月刊文藝春秋に掲載された「特捜検事はなぜ辞めたか」という、田中氏の辞職を巡る記事は、当時、かなり話題になっていて、私自身、検事任官を志す司法修習生でしたから、かなり興味を持って読んだ記憶があります。私自身の中でも、検事になった以上、田中氏のように実力をつけ犯罪を摘発し活躍できるような検事になりたい、という気持ちを持っていて、1つの目標であったと言っても過言ではないと思います。
しかし、その後、田中氏は、次第に、いろいろな意味で下り坂となり、刑事事件の共犯として起訴され実刑判決を受け上告中の身となり、自らの半生を振り返る手記を公表し、それを、検事として大成することなく、しがない弁護士に転身し細々と生きている私が、書店で購入し読んでいる、ということに、一抹の寂しさ、世の無常といったことを感じずにはいられません。
まだ、購入したばかりで、少し読みかけているところですが、いろいろなことを考えつつ読み進めて行きたいと思っているところです。

追記:

「反転―闇社会の守護神と呼ばれて」を読み終えて
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070702#1183309010