新司法試験 慶大教授が類題講義 出題・採点担当考査委

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007062302026567.html

教授は今年二月から三月にかけて、正規の授業の時間外に、計七回の練習会を開催。毎回百五十−百七十人の学生を対象に、「行政処分の執行停止」などの論点について講義した。
その後、外国人強制退去処分をめぐる判例など六つの判例を紹介したメールを参加者に送信。先月中旬に行われた新司法試験の論文試験の行政法分野では、外国人の退去強制処分の執行停止について論じるよう求めた問題が出題された。

法務省人事課は「考査委員が、予備校で行われているような練習会を開くのは、いわばアンパイアがコーチするようなもの。公正さを疑われるような行為だ」と指摘。

「公正さを疑われる」にとどまらず、公正な試験が実施されたとは到底思えません。問題となった行政法の分野については、再試験を実施すべきでしょう(制度として可能なのかどうかはよくわかりませんが)。
旧司法試験の時代から、試験委員については、試験の公正を維持するため、その身の処し方について、様々な制約が課されてきていました。正規の講義以外に、司法試験に向けた答案練習会のようなものに関与すること自体、その公正さを疑われる行為であって、厳に慎むべきである上、上記の報道によれば、教えられた人々に多大なメリットがあったことは明らかで(教えてもらえなかった人にとっては許し難いことでしょう)、我が国における、戦前の高等文官試験当時からの長い司法試験の歴史の中で、最大級の一大不祥事と言っても過言ではないと思います。
徹底した真相解明が必要であり、捜査機関(東京地検特捜部など)による解明も含め、法務省等が、今後、適切に対応できるかどうかについて、大いに注目したいと思います。