航空機がダイエット 座席から食器まで、各社が試行錯誤

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200706220008.html

膨大な燃料を消費する旅客機の重さを軽くすれば、会社全体で億円単位の燃料費削減につながるためだ。ただ、単に軽くするだけでは、高級感や耐久性が損なわれる恐れもある。シートやコンテナを最新の軽量素材にしたり、食器を数グラムずつ軽くしてみたり。文字通り、身を削る試みを続けている。

この記事を読んで思い出したのは、有名な「ゼロ戦」開発ですね。設計者の堀越二郎氏が書いたものを、かつて読みましたが、海軍からの、航続距離と空戦性能の両立という苛酷な要求を満たすため、血のにじむような努力を重ね、正に、1グラム単位で軽量化を図ったというものでした。
その結果、産み出されたものが、歴史的な名機・ゼロ戦であったわけですが、徹底した軽量化は、乗員の尊い生命を守る安全性を犠牲にし(それは堀越氏や開発側の落ち度ではありませんが)、戦時中に、多くの人命が失われたことも厳然たる事実です。
何かを徹底的に追求することは、必然的に別のものを失うことになる、ということを、常に念頭に置きつつ物事を進める必要性を感じます。

零戦の遺産―設計主務者が綴る名機の素顔 (光人社NF文庫)

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