「運転手不起訴は相当」 02年小6交通死 福井検察審が議決

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かなり昔のことになりますが、検察審査会で不起訴不当という議決が出た業務上過失致死事件の再捜査を担当し、結局、過失を認定し、略式起訴したことがあります。罰金刑になり、正式裁判申立もなく確定しました。
道路を横断しようとした幼女がはねられて死亡した、という、痛ましい事故で、私自身、事故現場へ行って実況見分を行うなど、かなり丁寧に捜査しましたが、今でも思い出すのは、被害者の幼女が、道路を横断しようとして接近する車両に気付き、道路外へ戻ろうとしたところで尻もちをついてしまい、そのままはねられてしまったことです。おそらく、びっくりしたせいだと思いますが、尻もちさえつかなければ、道路外へ逃れてはねられることもなく、今頃、人生を謳歌していたことでしょう。人間の運というものを、軽々に論じてはいけない、と思いますが、やはり、運不運といったことを感じずにはいられません。
上記のニュースとは、直接、関係はありませんが、その時の苦い思いを、ふと思い出しました。いろいろな経験をしていると、良い思い出というものはほとんど思い出すことがなく、こういう、苦い、辛かった、嫌な思い出、というほうを、なぜかいつまでも覚えていて、思い出すことが多いような気がします。