「適正捜査の指導を」警察庁長官が訓示、無罪判決相次ぎ

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070413STXKF058813042007.html

警察庁漆間巌長官は13日開かれた管区警察局長会議で「全国で相次いだ無罪判決でくみ取るべき点は何かを踏まえ、適正な捜査運営について管区内の指導に努めてほしい」と訓示した。

警察庁長官の訓示は、今さら言うまでもないことですが、このように無罪判決続くことによる深刻な影響としては、捜査機関に対する国民の信頼が損なわれ、不信感が増大して、今後の捜査活動に支障を来しかねない、ということがあるでしょう。
無罪判決と言っても、国民の立場に立ちこういった犯罪を犯した疑いが濃厚なので、証拠上の問題はあるものの敢えて起訴して裁判所の判断を求めた結果、無罪になった、という場合は、それほど国民の不信感が募ることはないでしょう。
今、問題となっている無罪事件の多くは、そういったタイプではなく、捜査そのものがいい加減でデタラメだったり、無理筋の事件をそれと承知ででっち上げてしまったり、といったもので、こういうことを繰り返していては、国民の不信感は雪だるま式に膨らんでしまうでしょう。
国民の信頼を失った捜査機関は、舵がきかなくなって大海を漂う船のようなものであり、情報が集まらず、必要な協力も得られなくなって、事件の解決がますます困難になる恐れがあります。
単に、警察庁長官がまた面倒なことを言っていたな、と聞き流すべきではないでしょう。>警察