北島孝久・元東京地検特捜部副部長の記事

今日の朝日新聞朝刊(14版)第2社会面に、「迷い絶ち、弁護士転身」という見出しで、元東京地検特捜部副部長の北島孝久氏を紹介する記事が掲載されていました。
退官の事情については、ライブドア事件を巡り、いろいろと取り沙汰されていましたが、記事では「そういうタイミングだった。」というコメントがあるだけで、それ以上は何も語られていませんでした。
私は、北島氏と面識はありませんが、以前、検察庁内の研修の際に講師で来られた同氏のお話は聞いたことがあり、無駄がなく、わかりやすい講義であったことが思い出されます。私のような、取るに足りない検事が退職するのとは違い、北島氏を失った法務・検察の損失には多大なものがあるでしょう。
私のような者が途中でドロップアウトしてしまうのは必然的なことでしたが、北島氏のような極めて優秀で将来を嘱望された方であっても最後まで勤め上げることができなかったということに、複雑な思いを禁じ得ませんでした。人の世を生きるというのは、やはり難しいものです。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050831#1125451285

で述べた自分自身の寂しい姿が(今でも寂しさをかみ締めながら生きていますが)、改めて思い出されました。
とはいえ、検事から弁護士になれば、いろいろな環境も変わりますから、北島氏には、健康に留意され、法曹としてさらにご活躍いただきたいと思います。