入試問題で「ひめゆり学徒体験談は退屈」 青学高等部

http://www.asahi.com/life/update/0609/007.html?t5

出題文は修学旅行で沖縄へ行った生徒は防空壕(ぼうくうごう)を体験した後、ひめゆり学徒隊の体験談を聞き、「正直言って、彼女の話は退屈で飽きてしまった。聞けば聞くほど防空壕の強烈な印象が薄れていった。彼女はその話を何回もしており、非常に話し上手になっていたと思う」と感想を持つ。問題では「なぜ筆者はひめゆりの話が好きでなかったのか」と聞き、「彼女の話しぶりが好きでなかった」など4つの選択肢から答えを選ばせた。

上記のような文章を読ませた上で、「なぜ筆者はひめゆりの話を聞いて、このような浅薄な感想しか持てなかったのか」を問えばよかったと思います。
選択肢としては
1 歴史、特に日本の近現代史や沖縄が置かれた状況についての理解がなかった
2 青山あたりで、おもしろおかしく学生生活を送っているうちに、他人の心情に共感することができなくなってしまった
3 他人の話をネガティブな印象でしか受け止められない、欠陥人間だった
4 「強烈な印象」を抱いた防空壕の中に、生身の人間がいたことの意味や深刻さを理解できるだけの能力すらなかった
といったものが考えられるでしょう(どれを選択しても正解?)。

青山学院高等部
http://www.agh.aoyama.ed.jp/
ひめゆり平和祈念資料館」
http://www.himeyuri.or.jp/

サイトのトップページで、「地の塩、世の光」などと言っている学校が、日本の勝利を信じて献身的な働きをしながら捨て石にされ多大な犠牲者を出したひめゆり学徒隊について、上記のような問題を出すことは許されないでしょう。

「青山学院教育方針」
http://www.agh.aoyama.ed.jp/hoshin/policy.htm

青山学院の教育は
キリスト教信仰にもとづく教育をめざし、
神の前に真実に生き
真理を謙虚に追求し
愛と奉仕の精神をもって
すべての人と社会とに対する責任を
進んで果たす人間の形成を目的とする。

沖縄戦の実状を徹底的に学び、そこで生じた犠牲の甚大さ、現在まで尾を引くあらゆる影響に深く思いを致した上で、上記のような問題をぬけぬけと出し、発育過程にある受験生に読ませることが、上記のような教育方針に照らして正しいことなのかどうか、「神の前に真実に生き」と言えるかどうか、よく考えて猛省すべきでしょう。