裁判所や検察庁の冷房事情

クールビズが話題ですが、上記の点について、私が経験して知る範囲内で少し触れておきます。
裁判所や検察庁、そして、おそらく他の行政官庁でも、庁舎に冷房が入るのは、7月からです(地域にもよると思いますが、一般的な話をしています)。
しかし、6月でも、結構、気温が上がる日もあるので、どういう予算措置が講じられているのかはよくわかりませんが、「試運転」と称して、気温が高い日には、6月から冷房が入る場合もあります。6月で、気温が上がっているのに冷房が入っていないと、暑苦しく、体力を消耗します。正に「クールビズ」の出番というところでしょう。
検察庁の場合、東京のような新しくてデラックスな庁舎では、空調が完備され、気温が上がればそれなりに対応されているようですが、地方で、新しくない庁舎にいると、上記のような状況になってしまう上、個別の部屋のエアコンがほとんどない(必要でもない検事正の部屋などにはついていても、下っ端の検事の部屋にはない)のが通例で、夕方、通常の執務時間が終わると、それまで入っていた冷房が切られてしまい、室温がどんどん上がって、検事と被疑者が汗だくで取り調べ、ということも、よくあります。私の場合、冗談で、「こんなに暑いと、暑さから逃れるために自白した、といった主張が出て、任意性に影響するかもしれない」などと言っていたこともあるくらいです。
裁判所の中でも、法廷は、窓がない構造になっている場合がほとんどなので、ただでさえ暑苦しく、気温が上がってきているのに冷房が入らないと、息苦しいほどになる場合もあります。裁判官や書記官は、法服を着ているので、暑くて大変でしょう(裁判官によっては、法服の下はTシャツに短パン、という人もいるようですが、それくらいしないと耐えられない場合もあると思います)。
日本も、どんどん温暖化している状況ですが、このように、裁判所や検察庁の冷房事情は良くないので、自衛措置としても、クールビズは必要と言えるでしょう。
こんなことで快適な生活が送れていない日本人というものは、本当は貧しく不幸な国民なのかもしれません。