列車事故に関するマスコミの動きに見るメディア・スクラム

コメント欄でも若干言及したが、JR西日本に対する、記者会見場でのマスコミの言動には目に余るものがある。特に、どこの記者かは知らないが、甲高い声で、興奮しきってしゃべる関西弁の男がひどい。
私は、既にこのブログでも指摘しているように、JR西日本関係者の、事故後の行動(ボーリング大会など)は、大いに反省されるべきだと考えている。個々の社員を責めるつもりもないが、公共交通機関に携わる人間としての意識とか節度、被害者やその家族を思いやる気持ちが欠けていたり不十分だったという批判は免れないと考えている。
しかし、だからと言って、マスコミが、記者会見場で、JR西日本関係者を怒鳴りつけたり、「それで、よく遺族の家の敷居がまたげましたね。」などと言う資格があるとは到底思えないし、現状は、もはや取材ではなく、一種の糾弾大会と化しており、とても正常とは思えない。正にメディア・スクラム(集団過熱取材)であり、JR西日本が、苦情を言えないのを良いことに、歯止めなくエスカレートするばかりで、本当に、このままではJR西日本関係者から死者でも出かねないのではないかと危惧している。
マスコミであるから、取材は大いにすべきであると思うし、厳しく質問することも必要な場面があるのは当然である。しかし、取材には取材としての限度があるはずであり、その限度を逸脱すれば、それ自体が一種の人権侵害でしかない。
我々は、JR西日本に対して厳しい批判の目を向けると同時に、こういった行き過ぎたマスコミの暴挙に対しても、厳しく目を向ける必要があると強く感じている。