司法研修所の2回試験について

司法修習を終了したばかりの人の感想。

http://plaza.rakuten.co.jp/droppy/diary/200410010000/

そもそも、2回試験というのは、修習を終了するに当たって、すなわち実務法曹として旅立つに当たって、法曹としての最低限の知識や技能を身に付けているかどうかをチェックする試験と言われています。
しかし、その最低限の知識や技能をチェックするための方法として、今現在行われている試験というものが適しているものなのかどうか、その点についてはかなり疑わしいと言えるのではないでしょうか。

にしても、試験の公平性の維持や参考文献やパソコンを1000人分以上そろえることの難しさから、法律家にあるまじく、六法と白表紙しか見ないで、準備書面や判決書を手書きで書かなければならないというのは、やはり疑問な気がします。準備書面を書くときにろくに文献を参考にしない(もちろん、時間的にきちんと見ることができないときはかなりあると思いますが)こともないでしょうし、もう少し何とかして欲しいものだと思います。

私も、2回試験の成績「だけで」法曹としての適格性を判断するのは間違っていると思います。試験は一発勝負で、いろいろな理由で結果を出せない場合もあり、日頃の成績等も加味して総合的に判断すべきでしょう。
ただ、私は、2回試験に直接関わったことはありませんが、関わった人の話は聞いたことがあり、2回試験の成績が悪い場合、日頃の成績も見るなどして、総合的な判断はされているようなので、合格できなかった人は、単に「運が悪かった」では済まないであろうとは思います。
上記の引用したブログでも指摘されていますが、2回試験のように、六法と白表紙(実際の記録を適宜編集して作成された教材)だけ見て、誰とも話もせず、数時間内に判決等を書く、ということは、実際の法曹の仕事としては、現実的ではありません。ただ、私の経験に照らすと、そういった極限的(とまでは言えないかもしれませんが)な状況下で、素早く記録を読み込み問題点を抽出し、分析・整理して、限られた時間内に起案をするという、事務処理能力を含めた総合力は、法曹として必要な能力ではないかと感じています。
法曹としての生き方には、様々なものがあるので、合格留保になった人達は、悲観せず、前向きに過ごしてほしいと思っています。