「ACCSは十字架を背負い続ける」――情報漏えい事件を語る

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0409/29/news073.html

似たような話をどこかで聞いたことがあるな、と思ったところ、そういえば、と思いだしたのが、これでした。

http://www.c20.jp/1932/12jujik.html

話の文脈は違いますが、おそらく、こういうたとえ話をする人は(松岡洋右はその最たものだと思いますが)、キリスト教において、イエス・キリストが十字架上で磔刑に処せられたことの意義が、よくわかっていないんだと思います。ある程度理解していれば、そういうたとえ話をすることの不遜さというか、場違いさも理解できるはずではないかと思います。

http://www.araki-labo.jp/jecono22.htm

ここで、

松岡洋右外務大臣は、昭和7(1932)年12月8日に国際連盟総会の席上で「十字架上の日本」という1時間20分に及ぶ大演説を行い、満州国を建国した日本が列国から白眼視される状況を、十字架に架けられた受難のキリストになぞらえた。
 しかし翌昭和8年2月24日、国際連盟はリットン報告書の採決の結果、満州国を日本の植民地と認定した報告書を42対1の満場一致で可決した。これを受けて、日本は国際連盟を脱退し、その後、国際的に孤立化の道をたどることになる。
 特に当時の軍人たちは、日露戦争の頃の日本人とは全く違う国民のような非国際的、独善的な方向に凝り固まっていった。

と紹介されていますが、松岡洋右の演説は、当時の日本の独善的な物の考え方を象徴するものだったと言えますし、何ら支持されることなく、その後の日本が敗戦へ向けて進んでいったことは周知の事実です。
それはそれとして、気になったのが、上記のITmediaのニュースの中の

続いて、ネット情報セキュリティ研究会(NIS)技術調査部長の萩原栄幸氏は、「国内のWebサイトは脆弱すぎる」と指摘する。「ある有名大学のWebサイトに、不正アクセス禁止法に抵触しない程度の簡単なバックドアを仕掛けたところ、大学の教職員名簿がまるごと見えてしまった」(萩原氏)。このような脆弱なサイトは国内では珍しくないという。

というところです。
高木さんのブログでは、

http://d.hatena.ne.jp/HiromitsuTakagi/20040929#p2

とコメントされていましたが、もし、この方のやったことが、不正アクセス禁止法違反だとした場合(あくまで仮定の話です)、この方が「不正アクセス禁止法接触しない程度」と「思っていたこと」は、刑事法上、「違法性の錯誤」、「あてはめの錯誤」と言われているところであり、故意を阻却しない、つまり、そういう「勘違い」があっても、有罪であって無罪にはなりません(異論もありますが、判例上はこうなります)。
公判中のKさんのようにならなければよいが、と、少し心配になりました。