私の履歴書(金森久雄)

海外へ行っている間に、読めずにたまっている新聞を、拾い読みしながら整理中。
日本経済新聞の「私の履歴書」で(第8回・9月8日)、金森氏が、陸軍二等兵としての経験を紹介の上、

しかし後になって考えるとこの経験も無駄では無かった。生まれてからこのかた恵まれていた。人の下に立つということがなかった。兵隊の8ヶ月の経験でそれがどんなものか身につまされて分かった。

とあり、共感を覚えました。
そこで、思い出したのが、現在、実現しようとしている裁判官や検察官が一定期間、法律事務所に在籍して弁護士経験を積むという制度。退職金算定上、不利益にもならず、住んでいる公務員宿舎にもそのまま住み続けられて、という、至れり尽くせりの「厚遇」はともかくとして、兵役前の金森氏のように、恵まれた環境でしか仕事をしたことがない人が多いと思うので、弁護士会や弁護士が公益のために担当しているような業務(多重債務者救済、国選弁護、法律扶助関係の法律相談など)を、主にやってもらうのがよいと思います。
おそらく、大手町とかそういったところで、巨大なオフィスを構え、企業から莫大な報酬を受け取り、受付にはモデル並みの容姿を備えた受付嬢が待っているような、そういった事務所(どこ、と言っているわけではありませんよ)に、皆、行きたがり、また、そういった事務所で働くことになると予想されますが、金儲けの方法を覚えるくらいが関の山で、あまり意味はないと思いますね。