おとり捜査の3要件(上記最高裁判例)

①直接の被害者がいない薬物犯罪などの捜査②通常の捜査方法だけでは犯罪の摘発が困難③機会があれば犯罪を行う意思があると疑われる者が対象、という3要件が示されたようですが、捜査機関に対しては、なかなか厳しい要件ではないかと思います。
①で、犯罪の種類が限定されますし、特に厳しいのは②でしょう。おとり捜査を選択するだけの相応の必要性がなければ違法になりますから、この点は、最高裁が、おとり捜査の濫用に歯止めをかけようとしたんでしょうね。③は、従来から言われている「機会提供型」に限定する趣旨で妥当でしょう。
要するに、機会提供型のおとり捜査である上に、①②のような場合に限って認めるよ、ということになると思います。
ただ、そういう場合であっても、実際に行われた手段方法が不当であるといったこともあり得ますから、①②③を満たせば常に適法、ということには、必ずしもならないのではないかと思います。