世界の特殊部隊作戦史1970-2011

世界の特殊部隊作戦史1970‐2011

世界の特殊部隊作戦史1970‐2011

こういった分野の、過去の作戦については、インターネットで検索すると散発的に情報が出てくるのですが、情報の出所が不明であったりして不便なものです。昨日、書店へ行ったところ、これを見つけ、便利そうだと思って、早速、購入しました。
全部で31章に分かれ、中には1章で複数の作戦が紹介されているものもありますが、概ね、1章につき1つの作戦が紹介されています。最近、映画の関係で改めて話題になっている、オサマ・ビンラディン殺害作戦も紹介されています。
少しずつ読みながら、こうした特殊部隊の作戦史は、成功したものも失敗したものも、奇襲、集中、殲滅(味方の被害を最小限にとどめた上で)、といった、様々な場面に敷衍されるべき、本質的なものを学ぶ上で、かなり役立つものである、ということを改めて感じています。今のところ、特に印象に残ったのは、第3章で紹介されている、ミュンヘンオリンピック事件(アラブゲリラによるイスラエル選手団人質事件)で、無力なまま人質全員殺害という悲惨な結果に終わらせてしまった西ドイツが、GSG9を創設し、ルフトハンザ航空機ハイジャック事件でソマリアモガディシオ空港に強制着陸させられた同機にGSG9が強行突入し、特殊閃光弾(スタン・グレネード)を効果的に使用して、犯人を制圧した上、人質全員の救出に成功した作戦(フォイアツァウバー、「魔法の光」作戦と呼ばれていることは本書で初めて知りました)でした。失敗に真摯に学ぶことが必要、という意味では、遠隔操作事件で苦杯をなめた日本警察も、こうした過去の歴史に学ぶ必要がありそうです。
各章は、情緒的、散漫な記述が排されて事実のみで簡潔にまとめられており、日本語訳も読みやすく、手元に置いておく資料としての価値もありそうです。

2013年02月25日のツイート

エジプト・ルクソール熱気球墜落で日本人4人死亡

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20130226-00000048-ann-int

エジプト・ルクソールで熱気球が墜落し、観光客ら19人が死亡しました。現地の警察は、観光客のうち4人が日本人で全員が死亡したとしています。

以前に、海外で観光用の熱気球に乗ったことがありますが、それほど速度は出ない状態で、ゆったりと飛行し、眺めの良い所では、操縦士が、適宜、高度を下げてくれたりもするので、なかなかおもしろく、楽しめた記憶があります。バーナーで、ブオー、という感じの、かなりの火を噴出する状態で飛行しますから、素人目に見ても、これで火が付いたりしたら危ないだろうな、という印象はありました。
安全性の高い業者を選ぶべきとは思いますが、海外へ行って、現地で熱気球を飛ばしている、というところは限られていて、利用者自身が確認する、というのはかなり困難で、事前に、旅行業者が現地の事情通に聞くなどして確認しないと、安全性に問題のある業者運航の熱気球に乗ってしまう、ということはあり得るでしょう。そういったことは熱気球に限らず、海外旅行をすれば、他にも同様のリスクはあるのですが。
楽しいはずのエジプト旅行が、こんなことになってしまい、事故にあった方々がお気の毒です。

PC遠隔操作:容疑者の勾留理由開示 犯行を否認

http://mainichi.jp/select/news/20130227k0000m040021000c.html

容疑者は「私は遠隔操作事件の犯人ではない。どうか無実と分かってください」と改めて否認したが、岩田裁判官は罪証隠滅や逃亡のおそれがあるとして「勾留には相当の理由がある」と認めた。

勾留理由開示という制度は、刑事訴訟法に規定があり、勾留されている被疑者や弁護人から請求があれば、裁判官が公開の法廷で勾留の理由を明らかにしなければならない、というもので、これにより身柄の取扱いへの慎重さや再考を求める、というのが本来の制度趣旨ですが、実際は、公開の法廷へ被疑者が出廷することにより、家族や関係者が傍聴席にいてそれを見た被疑者が勇気づけられたり、公開の場で被疑者や弁護人が主張を述べることで正当性を強くアピールする、そういう目的の下で進められる、というケースが多いですね。かつては多用されていた時期もありましたが、最近は、時々行われる、という状態で、かつてのように、法廷が荒れたり退廷者が続出する、といった勾留理由開示は、ほぼなくなりました。
検察官は、出席する場合としない場合があり、出席しても、検察官が意見を述べるという場ではそもそもなく、また、下手なことを口走れば法廷が無用に荒れかねないので、黙って座っているのが普通です。今日の法廷でも、出席はしたとのことですが、特に発言はなかったようで、それが普通です。余談ですが、私の先輩検事は、公安事件で勾留理由開示に立ち会い、終わって廊下に出たら、支援者に、「検事だ!」と追いかけられ、走って逃げた、怖かった、と言っていました(笑)。
報道によると、被疑者も弁護人も、主張を強く述べた、とのことで、これだけの注目を集めていますから、上記のような目的は達成されたと言ってよいのではないかと思います。